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創刊号 · 2026年 春
2026
Nippon Daily
Experience
日々の記録
日本日常体験記

季節の暦

日本には二十四節気という、約15日ごとに季節の移ろいを捉える暦の体系がある。太陽の動きに基づくこの暦は、農耕の指針であると同時に、日常生活のリズムを刻む文化的な装置でもある。

春 · Spring

2月〜4月 — 六節気

梅が咲き、桜が咲き、やがて散る。春は「始まり」と「移ろい」が同時に進む季節。商店街には入学祝いの貼り紙が増え、公園にはシートを広げる花見客が現れる。

立春

Risshun
2月4日頃

暦の上での春の始まり。まだ寒さが残るが、日差しに暖かさが混じり始める。梅の蕾がほころび始める頃。

雨水

Usui
2月19日頃

雪が雨に変わり、氷が解けて水になる時期。農耕の準備が始まる合図とされた。

啓蟄

Keichitsu
3月6日頃

冬眠していた虫が地上に現れる頃。土の中の生命が動き出す春の実感。

春分

Shunbun
3月21日頃

昼と夜の長さがほぼ等しくなる日。彼岸の中日であり、墓参りの習慣がある。桜前線が九州に到達する頃。

清明

Seimei
4月5日頃

万物が清らかで明るくなる時期。桜が満開を迎え、入学式や新生活が始まる。

穀雨

Kokuu
4月20日頃

穀物を育てる恵みの雨が降る頃。田植えの準備が本格化し、八十八夜が近づく。

主な年中行事

  • 節分(2月3日)
  • 雛祭り(3月3日)
  • 花見(3月下旬〜4月)
  • 入学式(4月)

旬の食材

菜の花 蕗の薹 桜餅 初鰹

夏 · Summer

5月〜7月 — 六節気

梅雨が明けると空の青さが変わる。蝉時雨の中を歩く通学路、打ち水で濡れた石畳、風鈴の音が漏れる窓辺。夏の日本は音と湿度の季節だ。

立夏

Rikka
5月6日頃

暦の上での夏の始まり。新緑が目に鮮やかで、風が心地よい時期。

小満

Shōman
5月21日頃

草木が生い茂り、万物が成長する時期。麦が穂を出し、蚕が桑の葉を食べ始める。

芒種

Bōshu
6月6日頃

稲の種を蒔く時期。梅雨入りが近づき、蛍が飛び始める。

夏至

Geshi
6月21日頃

一年で最も昼が長い日。梅雨の最中であることが多く、実感しにくい夏の頂点。

小暑

Shōsho
7月7日頃

梅雨明けが近づき、本格的な暑さが始まる。七夕と重なる。蝉が鳴き始める。

大暑

Taisho
7月23日頃

一年で最も暑い時期。打ち水、風鈴、かき氷——暑さを和らげる日本の知恵が街に現れる。

主な年中行事

  • 端午の節句(5月5日)
  • 七夕(7月7日)
  • 祇園祭(7月)
  • 花火大会(7〜8月)

旬の食材

枝豆 素麺 西瓜 かき氷 冷やし中華

秋 · Autumn

8月〜10月 — 六節気

空が高くなり、光の角度が変わる。神社の境内が紅葉に染まり、落ち葉が石畳に模様を作る。秋の日本は色彩が最も豊かに変化する季節だ。

立秋

Risshū
8月7日頃

暦の上での秋の始まり。実際にはまだ猛暑が続くが、夕方の風にわずかな涼しさが混じる。

処暑

Shosho
8月23日頃

暑さが収まり始める頃。台風の季節でもあり、稲穂が色づき始める。

白露

Hakuro
9月8日頃

朝露が草葉に白く光る時期。秋の気配が日ごとに深まる。

秋分

Shūbun
9月23日頃

再び昼と夜が等しくなる日。秋の彼岸。おはぎを供え、先祖を偲ぶ。

寒露

Kanro
10月8日頃

露が冷たく感じられる頃。紅葉前線が北から南へ下り始める。

霜降

Sōkō
10月23日頃

霜が降り始める頃。紅葉が見頃を迎え、空気が澄んで山の稜線がくっきりと見える。

主な年中行事

  • お盆(8月13〜16日)
  • 十五夜(9月中旬)
  • 七五三(11月15日)
  • 紅葉狩り(10〜12月)

旬の食材

秋刀魚 松茸 新米 月見団子

冬 · Winter

11月〜1月 — 六節気

空気が乾き、遠くの山が近く見える。神社の手水が凍り、自販機の温かい缶に手を伸ばす。冬の日本は静けさと温もりが隣り合う季節だ。

立冬

Rittō
11月7日頃

暦の上での冬の始まり。木枯らしが吹き、コートを着る人が増える。

小雪

Shōsetsu
11月22日頃

寒さが増し、雨が雪に変わり始める頃。北国では初雪の便りが届く。

大雪

Taisetsu
12月7日頃

本格的に雪が降り積もる時期。師走の忙しさの中、年末の準備が始まる。

冬至

Tōji
12月22日頃

一年で最も昼が短い日。柚子湯に浸かり、南瓜を食べて無病息災を祈る。

小寒

Shōkan
1月6日頃

「寒の入り」。寒さが厳しくなり始める。年賀状の返事を書き、七草粥を食べる。

大寒

Daikan
1月20日頃

一年で最も寒い時期。味噌や酒の仕込みに適した「寒仕込み」の季節。

主な年中行事

  • 酉の市(11月)
  • 大晦日(12月31日)
  • 初詣(1月1〜3日)
  • 成人の日(1月第2月曜)

旬の食材

おでん 蜜柑 七草粥 酒粕
編集部より

二十四節気の日付は太陽黄経に基づくため、年によって1〜2日前後します。本ページの日付は目安としてご参照ください。各節気をより深く知りたい方は、国立天文台の暦計算室が正確な日付を公開しています。